どうも、我が家の情報システム担当の僕です。
これでも元プログラマ、現在も某IT企業でwebディレクター職をしており、家族の間ではパソコン大先生(笑)として重宝されております。
先日、そんな僕が家族の役に立つ機会がありました。
父より「パソコンの容量がなくなってきたので見てほしい」と言われたのです。
見るとそれはWindows8.1のパソコン。
おそらく10年近く前に購入したかなり古いパソコンでした。
Windows8.1はすでにマイクロソフトがサポートを終了しているため使い続けると危険で、これは容量が足りない以前の問題です。
選択肢は買い換えしかないと判断した僕は、とにかく安い方法で最新のWindows11パソコンを入手する方法を調べることにしました。
安いパソコンといえば中古パソコン。
最近はAmazon RenewedのブランドでAmazonが中古パソコンに力をいれていますし、また楽天等で調べると1万円前後で「おまかせパソコン」「パソコン福袋」と言った商品が並んでいるのを目にします。
そして、これらの中には最新のWindows11を搭載している中古ノートパソコンもあるのです。
しかし1万円前後の中古ノートパソコンで本当に最新のWindows11は使えるのか?
そこには中古パソコンの闇が潜んでいました。
専門的な知識は全く不要なので、気軽な読み物としてご覧くださいませ。
(ここまではつかみなので、多少大袈裟な表現をお許しください(╯⊙ ⊱⊙╰ ))
Windows11搭載の安い中古ノートPCを買ってはいけない理由
さて、Windows8.1をご存知でしょうか?
スタートボタンの廃止など大きな使い勝手の変更により不人気だったWindows8に対して、スタートボタンを復活させるなどの応急処置をしたが、結局不人気だった悲しきOSです。
なので、前バージョンのWindows7から8を飛ばしてWindows10に移行したという方も少なくないのではないと聞きます。(Windows9は存在しません)
しかし、不人気でもマイクロソフトはきちんと10年間のサポートを続けました。
そして、実はひっそりと2023年にサポートを終了していました。
マイクロソフトのOSはだいたい10年間くらいのサポート期間があります。
大人気だったWindowsXPのサポートが切れた際には、ニュースや家電量販店が大騒ぎしてましたよね。
ちなみにサポートが切れるとどうなるのか?
マイクロソフトのサイトにはこうあります。
PCはウイルスやマルウェアのリスクが 高くなります。
はい、つまり危険です。
そのまま使っちゃいけません。
ではどうしたら良いかというと、まだサポートされているOSにアップグレードするしかありません。
もっとも良いのは最新のWindows11にアップグレードすることです。
実はOSのアップグレードはマイクロソフトが期間限定で無料で提供していることがあります。
しかし、Windows8.1の場合は現在無料でアップグレードすることはできませんでした。
Windows8.1からWindows10またはWindows11
への無料アップグレードパスは提供されていません。
そひて、マイクロソフトはどうしろと言っているかというとこちらです。
古いPCをお持ちの場合は、新しいPCを 購入してWindows11に移行することをお勧め します。
新PCを買ってWindows11にしろ!
と言っています。
気軽に言ってくれますが、パソコンって安くはありませんからね。
Windows11を搭載した最新パソコンはいったいいくらで購入できるのでしょうか?
Amazon Renewedの中古PCは大丈夫?新品同様でもCPUの世代にご注意!
さて、Windows11を搭載した最新パソコンを探していると、僕の大好きなAmazonで本当にたまたまこんなノートパソコンがオススメされました。
AmazonRenewedのストア
LenovoレノボノートパソコンT510インテルCore i7 620M 2.67GHz 4GB/SSD128GB/DVD/Win11/15.61型/Microsoft
Office2019/ブラック(整備済み品)
ノートパソコンが11,800円という破格です。
そして商品名を見る限りWin11、つまりWindows11がインストールされたパソコンのようです。
最近、AmazonはAmazon RenewedというブランドでAmazon整備済み品という名の中古品販売に力を入れ始めています。
新品同様という触れ込みがなかなか胡散臭いですが、Amazonが180日間保証してくれることを考えると、ヤフオクやメルカリはもちろんそこらの中古ショップで買うよりも安心感があるかもしれません。
しかし、僕が気になったのはこちらの表記。
インテルCore i7 620M
インテル Core i7(コアアイセブン)とは、パソコンのCPUというパーツのことです。
よくパソコンの頭脳に例えられますが、パソコンの性能を大きく左右するパーツです。
インテルはCPUの大手メーカーで、世の中の7割くらいのパソコンはインテルのCPUを搭載しています。
聞いたことのある方もいると思いますが、インテルの現在流通している主要なCPUブランドを性能の良い順に並べると下記のとおりです。
- Intel Core i9
- Intel Core i7
- Intel Core i5
- Intel Core i3
- Intel Pentium(ペンティアム)
- Intel Celeron(セレロン)
- Intel Atom(アトム)
Amazonでおすすめされた中古パソコンはCore i7搭載なので、つまり上から2番目のCPUです。
というか、Core i9とかはもうほとんどマニア用なので、Core i7は一般的なパソコンとしては最高峰と言っても良いかもしれません。
なんとなくCore i7は高性能ってことだけ知っている人もいますよね?
しかし「Core i7って高性能じゃん」っていう知識だけで選ぶと大変なことになります。
インテルのCPUには「世代」があって、初代のCore i7が発売されたのは2008年です。
つまり、Core i7という表記だけで選んでしまうと、最悪15年以上も前のパソコンを買ってしまうことになります。
15年も違うと性能は全く別物になります。
最新のインテルCPUは13世代であり、1世代と13世代の性能の差は10倍ほどになります。
楽天の中古ショップやメルカリやヤフオクなどの個人出品で、「Core i7搭載で爆速」みたいに表記されている中古パソコンは特に要注意です。
ショップの場合はCPUの世代を書いてくれてる場合もあるので、ちゃんと確認しましょう。
第2世代以上の強力Corei7で高速処理!
うーん、これはナカナカの表記です。
同じ世代の中では高速なので嘘ではないのかもしれませんが、第2世代も12年以上前のCPUなので、最近のPCと比較したら高速とは確実に言えません。
では、先ほどのAmazon RenewedのPCはどうでしょうか?
インテル Core i7 620Mです。
世代は書いてありませんが、CPU名の後に続く数字の先頭を見ると、そのCPUの世代が分かります。
では、このCPUは620なので第6世代か?というとそうではなく、数字が3桁の場合は例外なく第1世代です。
(第6世代の場合はCore i7 6700といった4桁の型番になります)
つまり、このAmazon Renewedのノートパソコンは、15年前の化石のようなノートパソコンだったということになります。
このパソコンの場合、高速とか爆速とか謳っているわけではありませんし、価格も相応に安いです。
なので販売の仕方としては問題なさそうに見えますが、実はもうひとつ大きな問題があります。
実は、このパソコンには、Windows11をインストールすることはできないはずなのです。
5年前のPCではWindows11非対応!楽天の激安中古ノートPCの評判・評価は大丈夫?
さて、Windows11を含め、全てのOSにはコンピューターの要件(システム要件)というものがあります。
そして過去のOSと比較して、最新のWindows11はそのシステム要件が厳しくなっているのです。
具体的にいうと、先ほどのインテルCPUの場合は基本的に第8世代以上のCPUでないとWindows11には対応していません。
これは、だいたい2018年以降のPCになります。
※一部例外もあります
それ以前のシステム要件を満たさないパソコンの場合、動作が遅くなる、重くなるというレベルではなく、そもそもWindows11がインストールできない仕様になっています。
しかし、多少専門的な知識がある人であれば、マイクロソフトの推奨しない手段を使って無理やりWindows11をインストールすることができたりします。(この方法自体はなぜかマイクロソフトが公開しています)
先ほどのAmazon Renewedの中古パソコンは、当然システム要件を満たしていないので、そうやってWindows11をインストールしていると思われます。
しかし、知識のある人がリスクを理解した上で推奨されない使い方をするのは良いですが、誰でも購入し得る中古品としてリスクのある状態で販売しているのは大丈夫なのか気になるところです。
では、AmazonRenewedではなく楽天やヤフーショッピングで販売している1万円前後の中古ノートPCだとどうでしょうか?
中古ノートパソコンでいうと、Amazonよりも楽天やヤフーのほうが潤沢に商品がある印象です。
実際に楽天で"ノートパソコン 中古 Windows11" と検索して、価格の安い順で並べてみました。
流石は楽天、最安値だと9500円からありますね。
ここにポイント還元などがあるので、実質の価格はさらに安くなると思います。
これはパソコンの価格としては激安でしょう。
では、この最安値でWindows11が選択できる中古ノートパソコンを見てみます。
|
検索にヒットしやすくするために商品名が異常に長くなっていて気が付きにくいですが、
Windows11 オプションで選択OK!
とはっきりと書いてありますね。
楽天やヤフーショッピングでよく見かけるこの手の「店長オススメ!」「おまかせパソコン」「パソコン福袋」といったネーミングの中古パソコンですが、これらは実際に届くまでどんなパソコンか分からないものになります。
もちろん写真があってもそのパソコンが届くわけではありませんし、大まかなスペックは書かれていますが、型番はもちろんメーカーすらも何になるか届くまで分からないものも多いです。
多くの場合で企業などで古くなったパソコンを大量に仕入れて、それをメンテナンスして販売しているものになっているようです。
何が届くか分からないわけで、多少なり当たり外れはあるはずですが、評判を見ると割と良いです。
口コミ数は24件と件数は多くないですが、個人的にはレビューに対してちゃんとショップが一件一件返信しているのには好感が持てます。
最近のレビューでも悪くない評価がついています。
サクサクと動き慌て作業もこなせてとてもたすかってます。
二台購入しました。(子供用と自分用)
こんなノートパソコンが欲しかったのです。
夢が叶った気分です。
友達に薦めたいと思います。
「夢が叶った気分」はちょっと大袈裟な気がしますけど、これは凄い当たりPCが届いたんでしょうかね…。
また、ネガティブで尖ったレビューもありますが、こちらにも店舗からきちんと返信されてます。
スリープから復帰できない初期不良があり、修理に出した ところ、スリープの設定を『なし』にすれば復帰できなく ならない、というとんちの効いた回答で、送料こちら払いでした。 レビューも『なし』にしたり流したりする方法があるのかもしれませんが以上です。
購入者は「スリープから復帰できないから初期不良で送料含めて無料で修理せよ!」と言っており、対して店舗から「スリープしないようにしたら良い」という返信がされたとのことです。
購入者も「とんちの効いた」と表現してますが、「屏風の中の虎を捕まえてみよ」という殿様に「まず虎を屏風から追い出してください」と返す一休さんのような口コミです。
これだけ読むと店舗が悪いようにも読めますし、店舗の返信も若干ズレている気もしますが、個人的にはこの評価は店舗も可哀想な気がします。
このスリープから復帰できないという現象は新品のパソコンでもたまにあることで、ショップにメールでサポートをお願いしたとしても、作業自体は自分で行って直したいところです。
そもそも9500円という価格ですし、直せないなら「諦めてスリープを利用しないで使おう」くらいの妥協はしても仕方ないかなとも感じます。
ショップからすれば、9500円で販売している商品でも送料1000円前後を店が負担しているはずで、これに加えてさらに修理で往復の送料を負担させられたら、下手したら赤字になってしまうかもしれません。
とはいえ店側も「初心者向け」を謳っているわけで、それで購入者を責めるのは違うとは思いますし、もうこれは店も購入者も不幸だった事例ですね。
少し話はそれますが「初心者だから、子供だから、中古で良い」という表現をよく聞きます。
しかし、実際は初心者や使い慣れない子供こそ良いマシンを買うべきだと僕は思います。
詳しい人は性能の低いパソコンを上手に使う方法が分かりますが、初心者にはただのストレスにしかなりませんからね。
そんなのでパソコンを嫌いになられたら嫌ですから。
さて、話を戻して僕としてはレビューより気になるのが、こちらのCPUに関する情報です。
Celeron or Core2 or AMD
つまりCeleronかCore2かAMDというCPUが搭載されているパソコンが届くそうです。
これらのCPUはWindows11に対応しているのでしょうか?
Celeronは低価格で性能低めのインテルのCPUブランドですが、ここ数年のものならWindows11のシステム要件も満たしていますし、最新のものであれば15年前の最高峰であるCore i7よりも高性能です。
逆にCore2は確実にダメです。
これもインテルのCPUブランドですが、15年以上前のCPUなので、当然Windows11のシステム要件は満たしません。
そしてAMDですが、これは企業名です。
※CPUブランドとしてのAMDもありますが、この場合はなにを指してるか分かりません。
つまり「CPUはインテルです!」って言ってるのと同じくらい情報が足りません。
もちろん、ここ数年のものならWindows11のシステム要件を満たしているものもあります。
ただいずれもCore2と並べられているところを見ると、CeleronにしてもAMDにしても10年以上前のCPUが届きそうな気配がプンプンしますね。
そもそも、この中古ノートパソコンは標準ではWindows10のパソコンになります。
Windows11はオプションで選択することになるわけですが、このオプションは無料なのでしょうか?
確認するとそんなことはありませんでした。
Windows11にするには追加で3000円かかるようです。
つまり、12500円が最終価格となります。
こうなると、この3000円がなに目的の追加料金なのかが気になります。
- システム要件を満たさないパソコンに手を加えてWindows11をインストールするための作業費用
- 送られてくるのが比較的新しいCPUを搭載したパソコンになる商品代金
2なら良いですが、1だったら最悪ですから、ここは確認してみる必要がありそうです。
クーポン利用で1万円のおまかせ中古ノートPCがOS変更オプション無料!
前述の中古ノートパソコンがWindows11のシステム要件を満たしているのかを確認する前に、もうひとつWindows11が選択できる1万円のおまかせ中古ノートパソコンを見つけたので見ておきます。
おまかせと言いつつ、こちらはメーカーとブランドは決まっていてNECのVersaProというパソコンです。
企業向けのPCで、廉価な中古ノートパソコンとして、よく見かけるモデルですね。
【ポイント最大6倍】NECVersaProおまかせCeleronメモリ4GBHDD320GBノートパソコン15.6インチ無線LAN Office付DVDドライブ中古パソコン中古PC中古ノートパソコンWindows10搭載Windows11
|
CPUもCeleronで確定しているみたいですね。
そして商品名にしれっとWindows11と書いてあります。
なお調べるとこちらの商品、なんとWindows XPを選択することも可能らしいです。
XPは10年近く前にマイクロソフトサポートが切れたOSなわけで、インターネットに繋いだら間違いなく危険なことが起きますので、これは凄いサービスですね。
と、思いましたが、オプションの選択肢にはWindows11しかありませんでした。
そして、こちらは発送にかかる期間が増えるものの追加料金なしでWindows11が選べるようですね。
ちなみにこちら商品の価格は13199円ですが、誰でもすぐ使える20%クーポンで10560円になります。
10560円で追加料金なしでWindows11が選べるなら、先ほどの店長おまかせパソコンよりも安いです。
しかし、この価格で本当にWindows11のシステム要件を満たしたCPUを搭載したノートパソコンが届くのでしょうか?
最後に実際に確認していきます。
楽天のオススメ中古ノートパソコン福袋はWindows11対応CPUなのか?
さて、ではこれらの中古ノートパソコンが、実際にWindows11のシステム要件を満たしているのか、確認していきます。
購入して確認するという手もありますが、2台あっても使い道がありません。
イケイケのYouTuberならそれでも両方買って比較するんでしょうけど僕はヒヨヒヨのブロガーです。
でも大丈夫。
購入前に店舗に質問すれば良いのです。
楽天アプリならチャット形式で簡単に店舗に質問が可能ですからね!
というわけで、前述の2商品を販売している店舗に問い合わせをしてみました。
windows11をオプションで設定した場合、マイクロソフトが定めるサポート対象のCPUを搭載されているという理解で大丈夫でしょうか?
かなり具体的な内容で確認しており、マイクロソフトの対応CPU一覧のページまで付けています。
この聞き方ならシステム要件を満たさないCPUのパソコンであれば、そう伝えるしかないと考えました。
早朝にメッセージを送りましたが、朝方には返信がありました。
返信が早いのは安心できますね。いずれもちゃんとしたショップだと思います。
まずこちらの中古ノートパソコンです。
|
ご質問頂きましてありがとうございます。 win11のOSをインストールできる商品はマイクロソフトが定めるサポート対象のCPUを搭載されています。
ご安心ください。是非ご検討ください。
どうぞよろしくお願いいたします
おお、サポート対象のCPUであることを明言してくださいました。
前述の通りWindows11のシステム要件を満たすパソコンは概ね2018年以降に発売されたモデルです。
つまり、Windows11をオプションで指定しておけば、10年前、15年前のパソコンが送られてくるということはないようです。
この店舗ではWindows11を指定する場合にプラス3000円かかりますが、3000円で比較的新しいパソコンであることが確定されるなら、これは安いオプションであると感じます。
では、無料でWindows11に変更可能なこちらの店舗の回答はどうでしょうか?
お世話になります。
ご連絡ありがとうございます。 弊店では最新Windows11OSを安価で提供する コンセプトのもと販売しており、CPUの制限ファイルを取り除くことで Microsoft推奨のスペックを満たしていなくてもインストールが可能となっております。
ご使用は問題ございません。
宜しくお願い致します。
あぁやはり。こちらはシステム要件を満たしていないパソコンにWindows11を入れているようです。
マイクロソフトの推奨しない方法ってやつですね。
しかし、こちらは無料オプションで対応しているわけで、返信にもあるようにできるかぎり価格を追求している人ならこちらが選択肢なのかもしれません。
さて、僕はどちらを購入すべきか…。
今回の場合ですが、冒頭で書いた通り利用するとしたら僕の父です。
仕事で利用するわけですし、マイクロソフトの推奨しないシステム要件を満たしていないパソコンを購入するのは好ましくありません。
つまり、Windows11のシステム要件を満たしたパソコンを買うべきと判断しました。
…と、そういえば父に予算を確認していませんでした。
僕がWindows11のマシンを可能な限り安く買うとしたら、、、と調べていましたが、そもそも予算があれば中古ノートパソコンではなく新品を購入するという手もあります。
僕「と、いうわけで父のパソコンは新調したほうが良いと思うけど予算はいくらにする?」
父「任せるので良いのを購入しといてくれ。お前の口座にパソコン代を振り込んでおく」
そして振り込まれたのがこちら。
・・・。
予算潤沢でした。
この予算なら選びたい放題です。
そうでした、パパ金持ちでした。
そんなわけで、問い合わせた店舗には申し訳ないですが、価格コムで上位にある新品の高性能ノートパソコンを買うことにしました。
ふざけたオチで本当にすみません。